初めての出産。
初めて赤ちゃんにお乳を吸われた時の感覚を覚えていますか?
わたしは覚えていません。笑
でも、覚えていることもあります。
産院にいる間は、赤ちゃんがちゃんとおっぱいを飲めているかどうかを知るために、授乳前と授乳後の体重を計るんですね。
最初のころはまったく増えなくて。
赤ちゃんは、こんなに一生懸命にお乳を飲もうとがんばっているのに、ちっとも飲めていないなんて!
ショックと言うか、不憫で不憫で。赤ちゃんに申し訳なかったこと。
そして、初めていくばくかの母乳が飲めているとわかったとき、うれしくてうれしくて泣きそうになったこと。
これが母乳に関する最初の思い出。
母乳母乳と言いますが、こだわるものでもないです。母乳があまり出ない人もいるし、事情があって母乳育児の難しい人もいます。
今は良い時代ですね。
粉ミルクがあります。
極めて母乳に近く、栄養や安全面を最大限に考えて作られた粉ミルク。しかも、母乳では補いきれないビタミンKが摂取できるものもあります。
この粉ミルクもだんだん便利になり、キューブ型なんてものもあります。調乳の際に「ええと、すり切り1杯を何回入れたっけ?」ってこともないわけです。
そうして、ドンドン栄養面、安全面、使い勝手などがよくなっている粉ミルクですが、少し前、ついに日本でも『液体ミルク』が発売になりました。
液体ミルクってなに?
粉ミルク同様、母乳代替食品で、0ヶ月から利用できます。
調乳済みで、常温で長期保存が可能で、赤ちゃんに飲ませるときも温めるなどの必要はありません。
え、なにその便利そうな響き。
ってなりませんか?
ここで、粉ミルクとの違いを見てみましょう
なんだかとっても便利そうですよね。
アメリカでは1970年代(どんだけ昔か)ごろから使用されていたようですが、日本で発売が開始されたのは今年に入ってから。
ではなぜ日本での発売はこんなに遅れたのでしょうか。
日本で液体ミルクの発売が遅れた理由は?
1.法律の壁
一番の理由は『食品衛生法』に定められた乳児用乳製品の定義によるもの。
『生乳や牛乳などを主要原料とし乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたもの』
要するに、液体では『乳児用ミルク』として規格されていないので販売ができないですね。
こんな法律の壁があったんですね。
こりゃ、日本ではなかなか発売されないわけだわ…と深く納得してしまいます。
2.安全面への懸念
欧米では40年以上前から使われている液体ミルクに関して、安全面の心配?と思わなくもないですけど、こういうところも日本人らしい気もしますね。
海外のものだと、日本で認可されていない添加物が入っていることがあるそう。
でも、日本で認可されていない=危険すぎる!ってわけではなく、海外にはオーガニックのものもあるようです。
赤ちゃんに安全なものを、という気持ちは、海外でも日本でも同じですね。
また、衛生面に関しては断然液体ミルクの方が優れているんじゃないでしょうか。
無菌充填製法というなんだかすごそうな特殊製法で作られているし、1回使い切りタイプです。
缶に入った粉ミルクのように、蓋を開けたら異物が混入したり、湿気なんかの心配もありません。
粉ミルクに比べて価格は高い
「液体ミルク、いいじゃん」
と思いましたか?
わたしも「こんないいものがあったのなら使ってみたかった」というのが正直なところです。
でもちょっと待って。いいところばかりでもないんですよね。
ご家庭によっては切実な問題(我が家も)なんですが、粉ミルクに比べて液体ミルクは価格が高いんですよ。
ざっくり調べで価格を比較してみると
液体ミルク240mlあたり210円
粉ミルク240mlあたり105円
なんと、2倍の価格差があるんですね。
たっか!ってなりませんか?
特にこれから子どもを育てていくにあたり、節約していきたいときには、いくら子どものためとはいえちょっと痛い。だったら粉ミルクの方がいいかなってなりますよね。
価格については、これから液体ミルクが普及していくに従って、安くなっていくこともあるでしょうから、これからに期待ですね。
2種類の液体ミルクを比較してみる
現在、日本で発売されている主な液体ミルクはグリコ『アイクレオ赤ちゃんミルク』と明治『ほほえみらくらくミルク』の2種類です。
液体ミルクを使ってみようかな…と考えたときに、どちらを選びますか?それぞれの特徴を比較してみましょう。
『アイクレオ赤ちゃんミルク』
内容量:1本125ml
形状:紙パック
・持ち運びに便利
・調乳の手間がなく準備が楽
・常温で長期保存できる
・口に合わないことがある
・温めないと飲んでくれないことがある
・1本の量が少ない
『明治ほほえみらくらくミルク』
内容量:1本240ml
形状:缶
・持ち運びに便利
・調乳の手間がなく準備が楽
・常温で長期保存できる
・口に合わないことがある
・温めないと飲んでくれないことがある
・量が多い
・缶なので、持ち運びにかさばることがある
メリットは両方ともあまり変わりません。
デメリットについては、その内容と形状について意見が分かれます。
『アイクレオ赤ちゃんミルク』の125mlという内容量は、成長にしたがって足りなくなるので、1回につき2パック必要になるでしょうが、それだとちょっと多いかもしれません。
しかし、まだ多く飲めない月齢の子や離乳食後の授乳など、ちょっとだけ飲ませたいときは、このサイズがよいですね。
『明治ほほえみらくらくミルク』の240mlという内容量は、月齢にもよりますが、ミルクちょうど1回分かちょっと余るくらいです。
1缶ちょうどで使い切ってしまえるというのはありがたいですが、ちょこっと飲みには向きません。もう少し少量サイズもあるとありがたいですね。
また、持ち運びについてはその重さが問題になることも。
粉ミルクの重さは大したことはありませんので、調乳用のお湯を現地で調達できる場合は持っていくのは粉ミルクだけです。
比べて、液体ミルクはそのままの重量で持っていくので、たとえば3缶(パック)持っていくとすると、それなりの重さになるしバッグの中で場所もとります。
調乳の手間が気にならない場合は、軽い方がいいわと思うかもしれませんね。
個人的には、液体ミルクを移し替えるのが面倒なので、使い捨ての哺乳瓶なんかにパックされているとますます便利かな~なんて思いますが、どうでしょう?
こういう時に活躍する『液体ミルク』
液体ミルクの活躍が期待されるのは、なんといっても災害時でしょう。
実際、日本国内での開発、販売が一気に進んだのは2016年4月の熊本地震がきっかけだと、アイクレオを販売しているグリコの開発担当者が語っています。
災害というのは、予測が難しいものです。
それまで母乳だけで育児できていたのに、災害のショックで母乳が止まってしまう事があります。母乳育児が順調な場合、十分な量のミルクの準備がないかもしれません。
また、ミルクだったとしても、調乳するための場所やお湯の確保ができないというのが現状でしょう。
『常温で長期保存』でき『調乳の必要がない』
まさに液体ミルクの出番と言えるでしょう。
液体ミルクが大活躍するような災害は起こらない方がよいですが、備えは必要です。
他にも、お母さんの急な体調不良にも対応しやすいですね。
体調不良で薬を飲まなくてはいけないから、その間はミルクでということは約1年間にわたる授乳中にはあることです。
そんなときに、1回使いきりの液体ミルクは役に立つのではないでしょうか。
調乳に慣れていないパパやおじいちゃん、おばあちゃんが対応しやすいのもいいですね。
液体ミルクのこれからに期待
待ちわびた液体ミルクの国内販売。
さまざまな意見を耳にしますが、結局はどのようにして使っていくか、と言う事だと思うんですよね。
「絶対こうでなければならない」と偏るのではなく、せっかく選択肢が増えたのですから、体調や状況に合わせて使い分けていくことが大事ではないでしょうか。
海外では乳糖不耐症の子用の液体ミルクもあると聞きます。次は日本でも、ミルクアレルギーの子用などの開発が進むといいですね。
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2019年3月13日の記事を加筆・修正しました